コノハナハ コゾノハナニ アラズ

どうしても見たい桜を巡ってきました。「去年の桜に非ず」。今年も見れてよかった。今年は、例年になく、日が良かったのか、感動的でした。それにもまして、見せてくださる土地の皆さんのさりげない心遣いと、手入れ、根元に踏み込まないような配慮がいいです。「こんな桜が一本あれば、長野県なら土産もんやが出るわ」という、「商売上手な長野県人」への、われわれの錯覚をみごとに覆してくれます。商品は何もありません。こっちの勝手で、仮設トイレが悪いの、位置がカメラアングルに入るの、などとクレームをつけたら、二度と見せていただけないでしょう。

「関貞桜」は、ことしも病気療養中でした。三年前のお姿です。

「素桜」 スサノオノミコトが植えたという。謡曲「素桜」の舞台。素桜神社のエドヒガンザクラ。実際の樹齢は1200年くらい。フレームに必ずトイレのボックスが入る。

「地蔵久保の桜」 オオヤマザクラ日清戦争の戦祥記念に樹齢10年くらいのオオヤサマクラを山から移植したものですから、今は樹齢どれくらいでしょうか。いつも、見せてもらうたびに心揺さぶられる感動的な出会い、会えてありがたいと思う一本です。
それにしても、こんなところから、大陸の知らないところへ戦争に駆り出されるのもばかばかしい。

「袖之山の枝垂桜」 娘さんらしき人を伴なった、桜めぐりのおばあさまと、しばし、桜の話をしました。桜の力。

「庚申塚の桜」 前方後円墳の上に咲く。
致死量を呑んで桜(はな)の下(もと)に寝る 読人不知
今年のはなのしめくくり。来年も…お会いできますように。