水が電気をつくる

案内してくださる人があって、矢代川にある三つの発電所を遠望しました。緑の谷の中に導水管の一番上から発電所までの全景が手をとるように見えます。この景色は、ダムのような威圧感がなく、水の力の恵みをいただいて電気をつくる、と言うような感動的な景観でした。

矢代川第2発電所 昭和4年完成

第3発電所 昭和13年完成 妙高山の水と火打山の水が合流する

関川にあるいくつかの発電所を見てきましたが、その、なんとなく機械力で作ったという雰囲気に比べ、圧倒的に厳しい条件の中にある矢代川の発電所のほうが、自然の中に溶け込んで、穏やかに、自然の恵みと共にあるという雰囲気は、どういうことなのでしょうか。季節のせいばかりではないものを感じました。この歳にして、「これは、いままでにない、一生の思い出の一つになるかもしれない」なんて、「青春っぽい感動だなあー」と感じました。


第3発電所の上を見上げると、高谷池から火打山へ向かう途中の稜線、右手に口をあけていて吸い込まれそうになる鬼ヶ城の断崖が目の前に迫ってきます。そして、普通、雪形は近づくと形が分からなくなるのですが、頸城平野で見上げた、はね馬がそのままに見えるのです。これは雪形ではなく、本物馬ではないのか。

ニホンカモシカが最近、町場のごく近い所まで出没しているようです。このような自然が豊かと思えるところにも住み続けることが難しくなってきているのでしょうか。
と、思った5月でした。