小諸そぞろ歩き

気にかかっていた小諸を久しぶりで寄ってみました。ちょうど「わら馬大行進」というまち起しの祭りの当日で、なんとも間伸びのしたいいお祭りでした。

小諸の急な坂道をガラガラと音をたてて引きずっていくのですが、なぜか場違いな楽隊の先導とあいまって、とてもいい雰囲気で、おまけに子供たちが、とてもカワイイ。きっと、わらの馬がいいのでしょう。
なぜ、気にかかっていたのか……、小諸は新幹線の駅を拒否した。新幹線が小諸の宝であるお城の中を通過しようとするので、当時の市長さんが、「そんなら、ごめんこうむります」と言ったため、新幹線は来ないどころか、嫌がらせとも思えるほど、小諸を迂回している。その隣の上田は、新幹線駅を誘致し、駅前再開発をした。それで、小諸は寂れて、上田は活気あふれているか…、ということで、気にしていたのですが、新幹線とかかわり無く、小諸も上田も、既成の商店街、つまり生活のための商業地域は衰退。そして、どちらも北国街道沿いの「取り残されたまち」が観光地として脚光を浴びている。小諸は、「蕎麦屋がまちを興す」と意気込んではじめた蕎麦屋さんがありますが、最近見てきた松本も上田も「蕎麦屋」、どうも「蕎麦屋がまちを悪くする」という現象も出てきているようですが、いずれにしても、まちそのものの「生き生きした眺め」と観光とは、相反するとまでは言わないまでも、観光客を誘致しても、まちは生きてはいけないと言うのを、ごく近く、なおかつ「新幹線」が「ある無い」という二つのまちに見ていたのですが、久しぶりに見た小諸の穏やかさは、どういうことなんでしょうか。
当日、小諸の北国街道沿いのまちでは、お雛様を飾って観光客も来ていましたが、今はちょっと説明できない不思議な「のんびり感」がありました。「邪魔しませんから観光させていただきます」。「どうぞごゆっくり」。これが大事なんだと思います。
と、まあ、いわゆる「まちおこし」と「観光」、「生活できるまち」との関係の難しさを感じたしだいです。
写真は、北国街道のまちです。写真には人はいませんが、実際はかなりいます。



州之内徹もびっくりのコレクション。

最後は、町家の吹き抜けです。